木星共和国における法的地位とその訳語
前回の更新から一か月以上たってしまいました。その間、「Nine Livesの訳語はホロバズじゃなくてナイン・ライブズに戻した方がいい」とか「EP世界をFATEという別のシステムで運用する『Transhumanity's Fate』が発売(※1)」とか「公式ブログで売り上げについての面白い記事が登場(※2)」といった数々の事件がありましたが、それとは全く関係ないネタを書いてみます。
※1:Transhumanity's Fate is Here!
※2:A Look at Eclipse Phase and DriveThruRPG's "Metal List"
木星共和国では、自国民の法的地位はcivilian、citizen、non-personの三種類、外国人はregistered alienとprotected alienの二種類に分けられます。
木星で生まれたり移民してきたら、まずはcivilianになります。これは参政権が無かったり一部地域での居住・就労・アクセスが禁じられている二等市民です。
civilianが軍や警察に志願して4年間の任期を務め上げればcitizenになります。志願は法的義務ではありませんが、志願しなければ臆病者か犯罪者(あるいはその両方)とみなされています。citizenは参政権をはじめとする木星共和国市民の権利全てを享受しますが、その内容はEP世界の他勢力どころか現在日本よりもなお限られています(例えば、報道の自由や集会の自由はありません)。また、犯罪などによって市民権がはく奪される(civilian落ちする)こともあります。
累犯者や反体制派、そしてバイオ保守主義社会において人間とは認められていない知性化動物やインフォモーフは、civilianよりも更に下のnon-personとして扱われます。こちらは人権を全く持たず、殺されても殺人罪になりません。まさに「テロリストに人権はない」という扱いです。
入国ビザを取得(困難ではありますが)した外国人は、registered alienとされ、citizenとほぼ同様の権利を持ちます。また、知性化動物やインフォモーフなどは権限が限定されたprotected alienとされます(AGIは厳しく禁じられています)。
さて、これらの地位をどう日本語に翻訳するか。
civilianとcitizenは、それぞれ単純に「民間人」「市民」でいいとしましょう。
人権のないnon-personは、最初は「非人」という訳語を考えたのですが、日本の非人(畏れられ、あるいは卑しまれる職業を生業とする被差別階級)みたいに特定の職業と結びついているわけでもありません。なので、暫定的には「人外」を候補に考えています。
registered alienについては、alienという単語に差別的・排外的ニュアンスが強い(「異星人」の意味もあります)ことを考慮しようかと思いましたが、日本やアメリカの役所でもalienが使われているようなのでそのまま「登録外国人」にしました。EP世界には「国」とは言い難い勢力(自治主義派同盟の所属組織など)は多いものの、そちらの関係者に入国ビザは出ないでしょう(「土星の輪の中でゴルフボールを探す方が、まだ見込みがある」とか書かれています)から問題はありません。
一方、知性化動物やインフォモーフなどバイオ保守的に「人」とは認めたくない存在が含まれるprotected alienを、単純に「保護外国人」と訳するのは違和感があります。「alien=外国人」という役所言葉の慣例にこだわらずに「外来者」「外国存在」と変形させた方がいいのか、検討中です。
現時点での訳語案
civilian:民間人
citizen:市民
non-person:人外?
registered alien:登録外国人
protected alien:保護外来者ないし保護外国存在?
※1:Transhumanity's Fate is Here!
※2:A Look at Eclipse Phase and DriveThruRPG's "Metal List"
木星共和国では、自国民の法的地位はcivilian、citizen、non-personの三種類、外国人はregistered alienとprotected alienの二種類に分けられます。
木星で生まれたり移民してきたら、まずはcivilianになります。これは参政権が無かったり一部地域での居住・就労・アクセスが禁じられている二等市民です。
civilianが軍や警察に志願して4年間の任期を務め上げればcitizenになります。志願は法的義務ではありませんが、志願しなければ臆病者か犯罪者(あるいはその両方)とみなされています。citizenは参政権をはじめとする木星共和国市民の権利全てを享受しますが、その内容はEP世界の他勢力どころか現在日本よりもなお限られています(例えば、報道の自由や集会の自由はありません)。また、犯罪などによって市民権がはく奪される(civilian落ちする)こともあります。
累犯者や反体制派、そしてバイオ保守主義社会において人間とは認められていない知性化動物やインフォモーフは、civilianよりも更に下のnon-personとして扱われます。こちらは人権を全く持たず、殺されても殺人罪になりません。まさに「テロリストに人権はない」という扱いです。
入国ビザを取得(困難ではありますが)した外国人は、registered alienとされ、citizenとほぼ同様の権利を持ちます。また、知性化動物やインフォモーフなどは権限が限定されたprotected alienとされます(AGIは厳しく禁じられています)。
さて、これらの地位をどう日本語に翻訳するか。
civilianとcitizenは、それぞれ単純に「民間人」「市民」でいいとしましょう。
人権のないnon-personは、最初は「非人」という訳語を考えたのですが、日本の非人(畏れられ、あるいは卑しまれる職業を生業とする被差別階級)みたいに特定の職業と結びついているわけでもありません。なので、暫定的には「人外」を候補に考えています。
registered alienについては、alienという単語に差別的・排外的ニュアンスが強い(「異星人」の意味もあります)ことを考慮しようかと思いましたが、日本やアメリカの役所でもalienが使われているようなのでそのまま「登録外国人」にしました。EP世界には「国」とは言い難い勢力(自治主義派同盟の所属組織など)は多いものの、そちらの関係者に入国ビザは出ないでしょう(「土星の輪の中でゴルフボールを探す方が、まだ見込みがある」とか書かれています)から問題はありません。
一方、知性化動物やインフォモーフなどバイオ保守的に「人」とは認めたくない存在が含まれるprotected alienを、単純に「保護外国人」と訳するのは違和感があります。「alien=外国人」という役所言葉の慣例にこだわらずに「外来者」「外国存在」と変形させた方がいいのか、検討中です。
現時点での訳語案
civilian:民間人
citizen:市民
non-person:人外?
registered alien:登録外国人
protected alien:保護外来者ないし保護外国存在?
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